この機会に考えてみましょう。
サラリーマンが “六十にして耳順う” ために今すぐ始めることを次の様に提案する。
- キャリアの振り返り
- スキルの棚卸し
- 天命を知る・専攻分野の決定
- 専攻分野についてアウトプットしていく
2020年に起きている変化
- 早期希望退職制度実施企業の増加、「45歳リストラ時代」
- テレワーク・リモートワーク従事者の増加
- フリーランスと派遣社員の増加
- 副業とマルチインカムの拡大
2019年後半から45歳以上を対象としたリストラがブームになり、年金受給年齢の引き上げと75歳定年の試算が始まる等日本のサラリーマン人生のテンプレートが大きく見直される時代を迎えている。
2020年初からは新型コロナウィルス Covid 19の流行によって、IT企業だけでなく多くの企業がテレワーク。在宅勤務を実施した。
『働き方改革』が推進されるなかで、この時期のテレワークは意図しない社会実験にもなった。
経営者の一部で言われているのは
「不安視していたよりも業務に混乱が生じなかった」
「オフィスのコストを削減できるのではないか」
など、「仕事は会社じゃないとできない」、「会議は直接顔を見てするもの」という固定観念のブレークスルーが起こり、” 仕事の常識 “革命が起こっている。
足音が聞こえている大恐慌に備えて、あるいは不本意ながらも少なくない数の企業がコスト削減のために人員整理を行う。
不況の後に来るリバウンド需要と需要に対応する柔軟性をもつために、正規雇用と非正規雇用の比率が逆転する会社もあるかもしれない。
- 正規雇用 = 固定費
- 非正規雇用 = 変動費として需要に応じて調整をする。
非正規雇用の形態であるフリーランスと派遣社員は増えることになる。
フリーランス・派遣社員増加とテレワーク・リモートワーク増加に加えて、昨今の動向から見ると
- ネットビジネスなど副業に参入するハードルが低くなった
- これまで通勤に費やしていた数時間を利用することもできる
- 単純に収入不足を補うこと
これらのことから副業とマルチインカムに取り組む人が増える。
50歳の強みと弱み
- 50歳の強みは『膨大な知識と経験』。約25年。人によっては30年の現場経験。
- 多くは部下を持ち、労務管理・指導・教育などの経験も豊富。
- 50歳の弱みは『保守的な判断』。経験から来る恐怖、防御反応。
- 若手の意見への傾聴を怠り、独善的にものごとを決定することがある。
過去の現場経験と業界や仕事の歴史から判断・決断することが、時に部下や後進の者の理解を超越することもある。
判断に至った思考回路を第3者に明瞭に表現できるようになればより「強み」が増す。
50歳のサラリーマン
いまのあなたは。。。
- 役員になっている。役員になる予定。
- 専門性を生かして部長クラスで現場を仕切っている。
- さらに専門領域のエキスパートとして社内での道を究めている。
- 仕事はそこそこに、趣味の道を究めている。
いずれの道が正解というものではないが、この先の選択肢は限られている。
いまからの軌道修正の角度は決して広くない。
選択肢のなかで自分自身と家族の幸せのためにどの道を究めるのか見定めるタイミング。
- 得意分野や専攻分野・趣味で副業、将来の退職後の専業を見出す。という道に通じる。
キャリアの振り返り
サラリーマン生活の25年あるいは30年間、様々な職場や職種あるいは業界を経験してきた50歳。
ここで一度自分のキャリアを振り返ること。
おすすめは、年表をつくること。
自己分析の手法として知られる「モチベーショングラフ」。
就職してからの職場や職種を年表にして、マイルストーンとなった様なイベント・事件の時の「心の動き」を記す。
これで浮かび上がることは、
- 自分が何にワクワクするのか。
- 頭脳と時間をどれだけ掛けたとしても惜しくないことは何か。
- これからの10年の歳月を充実して生きるに値するものは何か。
確かに今現在の業務は忙しく、突っ走っているのかもしれないが、今いちど振り返ると見えてくるものがあるはず。
ここでは「キャリアの振り返り」に焦点を当てているが、中学生時代くらいから振り返ってみるのも面白いかもしれない。
スキルの棚卸し
キャリアの振り返りとモチベーショングラフから見えた、自分自身の血となり肉となっているもの。
- 業界分析力・統計やデータベースのソースへのアクセスと資料をまとめる力
- 会計学の知識
- ビジネスケースの作成力
- プロジェクトマネージメント
- チームワーク、リーダーシップ、労務管理能力
- 外国語力
など、汎用的なスキルを棚卸してみて、書き出す。
スキルは細分化して体系図に落とし込んで、得意・不得意の色付け(仕分け)をする。
※ 社内人脈や自社商品知識などは対象としない。
天命を知る・専攻分野の決定
キャリアの振り返り、モチベーショングラフとスキルの棚卸しから
- 人生で一番に汗と時間を費やした領域
- 自分が好きな、ワクワクする領域
- 自分が得意とする仕事の領域
を洗い出してベン図の様に落とし込んでみると浮き上がってくるものは何だろうか。
きっとそれがあなたの『天命』の領域。
人生の後半を掛ける専攻分野ともいうことができる。
専攻分野をアウトプットしていく
浮き上がって見えてきた専攻分野は50歳からの人生地図の幹になる道。
振り返ってみても、これまでの十数年あるいは20年以上の根幹であることに気付く。
これまではインプットであり、50歳からは専攻分野をアウトプット・発信するターン。
このアウトプットには次の意味と意図がある。
- 知識・知見を次の世代に受け継ぐ。
- 後輩・後進がより良い時代を切り拓くためのヒントを提供する。
また、専攻分野や趣味で副業、将来の退職後の専業を見出すことも考えられる。
アウトプット・発信はボランティアでも良いがプロフェッショナルに体系化できれば、それはビジネスに繋げることもできる。
- 特化型コンサルタント
- 講師・トレーナー
参考:ビジネスマネージメントが専攻分野なら
自分の専攻分野が「ビジネスマネージメント」だと思う場合、『天命』は会社経営かもしれない。
サラリーマンは実力だけでやりたいこと、天命と思うポジションに就くとは限らない。
それならばいっそ自分で起業することもひとつだが、起業だけが経営の道ではない。
中小企業の承継・M&A
中小企業にとってリーダーの後継者問題がここ数年で大きな問題となっている。
帝国データバンクの調査報告(2019年11月) (引用)によると
最近はAIなどを駆使したマッチングサービス事業が興っており、インターネットを通して申請、調査できるように敷居が低くなっている。
三戸政和さん著の『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』は書評や口コミに賛否両論あるものの、中小企業の事業承継のイメージが湧きやすい一冊だと思う。
~文末~