西洋系の外資には多くのMBAホルダーがいる。本国の経営陣と財務部・経理部などは全員がそうであるという様な企業も少なくない。
中国をはじめ東南アジアで急成長している企業の幹部もMBAホルダーの比率が非常に高い。
「MBAホルダーは使えない」と揶揄されることもあるが、現実においては意思決定や発言権を持つポジションにはMBAホルダーがいるというのが実感。
ここでは彼らと仕事をする為に知っておきたい実践的な用語のひとつ『IRR』について話す。
IRRとは
別ページで解説するNPV (Net Present Value; 正味現在価値)と同様に、新しいプロジェクトの立ち上げや、新製品の適正な販売価格を判断する際に用いられる指標。
ある一定期間のプロジェクトや製品から将来得られるキャッシュフローを複利で計算して、投資金額の現在価値とキャッシュフローの現在価値の総和が等しくなる様な割引率の値を求めることをいう。
簡単にいうと、プロジェクト期間中の投資が如何に早く回収できるのかをパーセントで表現するもの。
複数のプロジェクトや、費用とキャッシュフローをシミュレーションして、IRRの値(%)が高い方が投資を早く回収でき、期間中のキャッシュフロー予測変動リスクに対してベターと判断できたり、また得たキャッシュを次のプロジェクトに早く利用できると考えたりすることもできる。
IRRの計算式
CF 1 =1年目のキャッシュフロー
CF n =n年目のキャッシュフロー
IRR =IRRのパーセント
プロジェクト各年度毎の分母は年数に応じて累乗される。複利計算される。
エクセルでIRRを計算する
実際に利用する際にはシミュレーションをすることを含めてエクセルを使うことが多いと思うので、エクセルで計算させる式を紹介する。
例)初年度50百万円投資をし、翌年から5年間のキャシュフロー総額1億円が
5百万円、15百万円、20百万円、35百万円、25百万円と見込まれる場合のIRRは22%。
IRRを使ったシーンの具体例
実務において、例えば次のようなシーンで利用することができる。
- ある新製品のモデルライフ3年で販売価格を1000円/個と想定する。
- 販売個数は現在(n年)の1年後 15千個、2年後 45千個、3年後 60千個とする。
- 第1案は初期投資額16百万円。第2案は18百万円であるが、製造原価10%の改善を見込む。
- どちらの方が投資に見合う価値が得られるのか。
(IRRを求めることと関係は無いが、資本コストは10%の時のNPVも参考に記す。)
⇒第2案は初期投資が高く1年目の税引き後利益は低く、投資の回収に差はあるが、2年目以降のキャッシュ増加もあってIRRが高くなる。
第1案のIRRは40%。
第2案のIRRは42%。
ほかに、NPVや CAGR 、EBIT/EBITDA
についても解説しています。
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