いま世界で起こっていること
- 世界的規模での実質的な鎖国(国境の封鎖・流出入制限・ビザ発給業務停止)
- いくつかの国での州境、県境の封鎖
- 都市のロックダウン・市民の外出禁止令(学校など教育機関含む)
- 医療品と食品・ライフラインなどを除く就業の制限
中国が2020年1月23日 武漢ロックダウンを皮切りに全国に展開した時には「あの国だからできること」と思っていたことを、イタリア、スペイン、フランスが、更には米国のカリフォルニア州やニューヨーク州(さらに拡大中)までが、ほぼ戦時統制にはいっている。
第二次世界大戦後、局地的な戦争により地域的は同じような経験をしている国は当然あるのだが、ここまで世界規模にそして同時に発生してることは初めて。
現役のビジネスマンが体験したことのない世界規模の動乱を目の当たりにしている。
民間経済活動への影響
執筆している3月20日現在、報道やいくつかのマーケットリサーチ会社のレポートを見ると、国家やや地方政府、民間企業の各種制限は4つに分類することができる。
- 2020年3月31日まで (移動の制限・工場の操業停止など)
- 2020年4月第1週、第2週あるいは月末まで (工場の操業停止など)
- 2020年5月末 (ビザ発給業務など)
- 無期限(いまのところは解除日を設定しない)
各国の事情、経済活動の違いはあるが単純にカレンダーで計算すると「売上」の落ち込みは
- 約2週間の操業停止は年間5%の売り上げダウン
- 約1か月の操業停止は年間10%の売り上げダウン
消費マインドの低迷は間違いなく、これだけで済まない2020年になる。
本当に大変なことは、資金ショートである。
各企業、川下から川上までの全企業が同じ状態になるので、内部留保をプールしていない企業を起点にした負のドミノ効果の大発生が懸念される。
各国政府の連携した大規模な経済対策を期待する。
お金の流れの停滞
近代・現代の経済は『お金の循環』であり、それを実際に牽引しているのは金融活動。
2月~3月初めまでの金融市場はまだ、中国の景気低迷と中国製品によりサプイチェーンへの影響などを織り込んだ相場模様であったが、3月第2週以降は世界中の実態経済の見通しを織り込み、グレート・リセッション以上の規模になる恐怖感が目論まれているのだろう。
現代の金融市場は複雑なレバレッジ商品が多く、信用取引は一般人が想像もつかない金額まで膨れ上がっている。
専門外なので精査した数値は持たないが、信用取引の世界規模は何百兆円、何千兆円なのだろうか。
各金融市場の大暴落により、信用取引をしている機関・個人は追証(Margin Call)を要求される。
そのためには損切、ファイナンスにより切り抜けなければならず、実体経済に回るお金が制限されていく。
金融市場の規模もグレート・リセッションの時代(2020年代後半から2010年代初頭)に比べて大きく膨れ上がっている。
金融市場の資金循環を背景にして頼っていた実体経済は、その反動を受ける可能性がある。
リセッションからの回復時期
と、「見出し」を書いてみたものの、何もわからないというのが相応しい。
グレート・リセッションについては一説に2007年12月~2009年6月と19か月間といわれている。
今回のリセッションは当時と比べて次のような違いがある。
- グローバル化の規模
- 金融市場の規模
- 金融商品の多様性
- 発端は健康・生命に直結する事象
- 市民生活・実体経済の制限
いずれにしろ全世界の知恵を終結して、早期のリセッションからの脱却を願う。
リセッション脱却後に来る世界が明るい未来でありますように。
新型コロナウィルス Covid19収束後 働き方と社会のダイナミックな変化を予想
フリーランスと派遣社員の増加 / テレワーク・リモートワーク従事者の増加 / 副業とマルチインカムの拡大 / 中国集中から東南アジア・アフリカへの分散の加速 / 中国企業の海外進出加速による各海外事業の競争激化/ 東京一極集中から地方分散化の促進 / 東京のオフィス空室率増加とオフィス賃貸料の二分化 / 東京周辺部の不動産価格下落
~文末~