海外で暮らす日本人は135万人(2017年10月調査)。日本を含む世界中の日本人の約1%が海外で暮らしている。2008年から2017年までの10年間で21%増加したことが外務省のデータから読み取れる。
ここでは、外務省の統計データを編集させて頂き、いくつかの切り口で2008年から10年間の推移をグラフで比較する。なお、ここで「欧州」と表現するデータは、外務省統計の「西欧」と「東欧・旧ソ連」を六兵衛自身が合算したもの。
海外で暮らす日本人は増えている
2008年に112万人であった海外に暮らす日本人は10年後の2017年には21%増えて、135万人となった。
その内訳は、永住者が12万人増えて48万人(+34%)、そして長期滞在者は11万人増加の87万人(+15%)。
永住者の比率は10年間で+4ポイントの36%を占めている。
アジア、オーストラリア・ニュージーランドで急増
地域別にみると北米(USA, Canada)が4割を占め、アジアが年々追い上げている。
日本人の在留傾向が下がっている南米は、1908年に始まったブラジルへの移民達の子孫達日本国籍をとらない傾向があるのかもしれないと推測する。アフリカの減少は主に長期滞在者数が減っている。
永住者の49%はアメリカ・カナダにいる
[外務省 海外在留邦人数統計 目次から引用]
在留国などより永住権を認められており、生活の本拠を我が国から海外に移した邦人
永住者はその半数が北米に在り、10年間の増加は+42ポイントで24万人に達する。毎年3~5%の勢いで増加している。USAは日本人永住者数世界第1位で、19万人が永住権を取得していると思われる。
次いで増加しているのが大洋州(Australia, New Zealand, Fiji)の3か国であるが、AustraliaはUSAに次ぐ世界第2位で約6万人の日本人永住者がいる。
唯一そして2桁減少の南米は、第3位の永住者数ではあるがここ5年間平均で1~2%毎で日本国籍者が減っている。
長期滞在者はアジアで増加。北米は微減。
[外務省 海外在留邦人数統計 目次から引用] 3か月以上の海外在留者のうち、海外での生活は一時的なものであり、いずれ我が国に戻るつもりの邦人
2008年頃までほぼ同数であったアジアと北米の長期滞在者数は、10年間で10%以上の開きをみせた。公開されている統計資料だけで分析することはできなかったが、日本企業の活動のシフトが影響しているものと思われる。北米の企業オペレーションの現地化と中国・タイ・インドネシア等への駐在員(家族帯同を含む)拡大と推測される。
南極についてはほとんどが観測隊員の方々だと思われる。毎年24人から33人がカウントされている。
男女構成比から何が見えてくるのか
2017年で分類される9地域のうち、63%の在留邦人数をしめる3地域(北米・欧州・大洋州)で女性の数が男性を大きく上回った結果、全世界の在留邦人数の58%が女性である。
- 元来の男女の出生率の問題か?
- 平均寿命の違いが人口にも影響するが、日本国内に住まない日本人にも当てはまるのか?
- 女性の海外進出の方が積極的なのか?
- 先進国が多い3地域に女性が突出して多いのには、女性の意思と行動に因るのだろうか。
年代別構成比もイメージがふくらんでいく
2017年で分類される9地域のうち、南米と南極の2地域を除いては各年代の構成比に大きな差を見いだせない。強いて言えば、Australiaを含む大洋州の20歳代(20%)の多さと、40歳代以降の少なさか。
南米は非常に極端な例で半数以上が60歳以上。これからの現地生まれの国籍取得と永住化、長期滞在がスピードアップされなければ、数十年後には現在の半分程度になることもあり得る。
南極観測隊員には、20歳未満と60歳以上はおられないようだ。
~文末~
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