会社のリストラは人生のチャンス、キャリアアップの絶好の機会ととらえて積極的に検討することを勧める。しかし、全ての人に勧めるのではなく下記に述べる様な人が適切なプロセスをもとに検討すれば、必ず成功すると考える。
東京商工リサーチ発信(2019年10月9日)によると、同年1~9月において上場企業27社で1万人以上の募集又は応募があった。これは2018年通年の2.5倍に相当する。
また、2019年は45歳以上を対象としたリストラがブームになり、年金受給年齢の引き上げと75歳定年の試算が始まる等、日本のサラリーマン人生のテンプレートが大きく見直される時代を迎えた。
ここでは、ほぼ40歳の時にリストラを目的とした特別早期退職プログラムに応募した六兵衛が、その時に思ったことや実践したことを元に、リストラでキャリアアップや人生を成功に導くためのプロセスを記す。
リストラでキャリアアップや人生を成功に導くためのプロセス
こんな人が成功する
① 5年後、10年後と20年後の自分の姿を想像している。
② 自分自身の価値観を知っている。
③ 目的と手段の違いを理解している。
④ 自分自身と家族のことを大切にしている。
と、ここまで書いて気付いた。リストラに応募する人だけでなく、さらにサラリーマンだけに限らない大切なこと。だが書き続けていく。
5年後、10年後と20年後の自分の姿を想像している
このことは数多のビジネス本や自己啓発本に書かれているが、照れることなくいうと真実。
想像する自分の姿は何でも良い。5年後に貯金1千万円でも良いし、10年後にフェラーリを所有するでも良いし、20年後にハワイの別荘にいるでも良い。
大切なのは、例えば、自分自身がフェラーリを運転して海岸通りを走っているビジョンが目に浮かぶこと。
会社でも中期・長期のビジョンの無い経営者と組織は必ず衰退する。5年後の姿を想像してリソースを配置する予算を立て、進捗確認とビジネスを取り巻く環境を見るながら修正していく様に、自分自身についても補正していけばよい。
自分自身の価値観を知っている
この記事を目にされる方のほとんどは社会人であり、会社員だと思う。学生時代に描いた夢に向かって突き進んでいる人もいれば、その夢はあきらめて新たな人生の目標を掲げている人がいる。
「学生時代に描いた夢」も「新たな人生の目標」も、そのベースにあるものは自分自身の価値観が具現化したもの、目に見える表現になったもの。
例え外国で住むようになってはじめは文化の違いに戸惑っても、次第に順応して価値観の違い、多様性を認めることになるだけで、大人になるまでに形成さらた根本の価値観は変わらない。
5年後、10年後、20年後の姿は社会環境などに影響されて微調整されるが、根底にある価値観は変わらない。
目的と手段の違いを理解している
「戦略と戦術」の違いを理解しているという言い方でも良いかもしれない。
目的地を決めたら、何を使って何処を通ってゴールにたどり着くか。
- 富士山に登頂するために、5合目駐車場までクルマで行って登る。御殿場ルートで麓から登る。
- 野球で1点を決めるために、シングルホームランを打つ。スクイズをして3塁走者をかえす。
目的(10年後の自分の姿)の為に、手段(仕事)はひとつでは無いことを理解している。
ひとつの手段にこだわるが故に、目的(地)にたどり着かないことは本末転倒だとわかっている。
自分自身と家族のことを大切にしている
自分の価値観と将来の姿に正直であり、目的を向かって適時適切な手段、戦略に沿った戦術をとることは自分自身を大切にするということ。自分自身を大切にするからこそ、パートナーでありチームメンバーである家族に対しては、日頃からビジョンを語り、意見交換をして理解を得られるようにしている。
転職や転居も、描いたビジョンのための手段と戦術となることを家族にも常日頃からシミュレーションし、コミュニケーションをしている。
プロセス
~ 普段から ~
① 5年後、10年後、20年後のヴィジョンに対して、常に自分の今の位置を知る。
② 会社の経営方針の変化が自分自身のビジョンにどう影響するのかを分析する。
③ 定期的に自分の市場価値を測る。転職系サイトの診断サービスよりも、転職エージェントに登録をして実際の案件紹介などを通して生の情報に触れることをお勧めする。
④ 生涯賃金のシミュレーションをする。今の会社で定年まで働いた時に得られるであろう給与+ボーネス+退職金と、転職をした場合に得られる今の会社の退職金+次の給与と次の退職金など。
~ 希望退職の募集が出た時 ~
⑤ 改めて上記①~③を深堀りする。重要な点として、マクロ経済の環境や市場の相場変動を今一度織り込んで分析をすること。
⑥ 上記④の再計算。もしも割増退職金がある場合にはそれを織り込む。
リストラの場合は失業給付金が「会社都合」として、ハローワーク申請日の1週間後から最高330日分が支給される。安定した再就職先が決まれば再就職手当も給付される。早期に次の就職先が決まれば、支給残日数の30%となる。
⑦ 家族と相談する。普段からビジョンについてコミュニケーションをしていると、感情的にならず冷静に話ができる。
⑧ 転職エージェントに対して事情を話し、相談に乗ってもらうことも一つの手段。
⑨ 上司、部下、同僚とは退職についての相談はしない。各々に事情や人生のビジョンも異なるし、また利害が対立することもある。悪いケースでは、相談に乗って慰留を説得した上司が、早々に割増退職金を得て先に退職し、残務を負わされて退職どころでなくなる可能性もある。
⑩ 応募を実行に移した後は、会社からの慰留にも心をぐらつかせない。上記①~⑨を経た後に自分自身で判断したことに誇りをもつ。しかし、希望退職の募集は会社と社員双方に拒否権があるので、思い通りにならない場合があることは留意しなければならない。
文末 ~