【海外転勤・海外出向】前兆~内示~辞令から赴任~本格稼働<全編>

海外生活

今回は、グローバルな働き方のひとつ、【海外転勤・海外出向】の前兆~内示~辞令から、赴任~本格稼働までの全体の流れ。


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【前兆~内示~辞令】【辞令~出国】【赴任地に到着してから】

 


 

 海外出向の前兆 

海外出向の辞令を受けるまでには必ずその前兆がある。

事業組織である限りは、その事業目標に適切な人員配置をする。

海外出向となると会社として対象の従業員(家族帯同の場合はその家族分も)に掛けるコストは、国内でのそれに比べて3割~2倍以上増加する為、慎重に人選される。

前兆の事例

① A国の新規工場立上げプロジェクトメンバーの一人として参加中。

出張報告時やプロジェクトの会議において、役員や上司からA国での現地メンバーとの関係や、現地での生活順応可否について問われる。

また、家族を有する場合には家族の健康状態や、子供の進学について質問されることがある。

② 既に海外出向している社員の任期の話題がふられて反応を伺われる。


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 海外出向の内示期間 

海外出向の内示は一般的に、国内転勤よりも長い期間をもってなされる

企業によっては人事規定において海外出向は赴任日の4か月前などと明文化される。

内示の段階で家族にはそれを知らせて覚悟と準備にとりかかった方が良い。

しかし、あくまでも内示であるので取引先を含む社外には公言すべきではない。

いまの担当業務について直属上司と相談の上、内示を受けた日から直ぐに取り掛かる。

例え赴任日の4か月前であろうとその日はあっという間に訪れる。

引継ぎをするということは今の業務量の1.5倍から2倍となるものである。


 内示を受けたら確認すること 

最っとも重要なのは

  1.  出向期間
  2.  給与・福利厚生

赴任後にお金で揉めることは本人・家族そして会社にも決して良いことにならない。 正式な辞令を受ける前に必ず合意すること。

【主な注意点とその例】

  1. 出向期間

    • 原則3年間。但し期限1年前に延長について検討。
  2. 給与金額合計と支払い方法

    • 出向前基準給与+海外出向手当(例 30%)
    • 60%現地通貨・現地指定銀行振込 : 40%日本円・日本の指定銀行振込。
  3. 手取り金額の目論見計算

      • 赴任国の所得税と社会保険等の給与天引き後の値。
    • 厚生年金・健康保険・退職金

      • 日本の出向元の仕組みを継続。
    • 引越し費用

      • 海外引越費用 25㎥以内全額会社負担。(保険含む)
      • 国内トランクルームのレンタル料10㎥まで会社負担。

 

  • 仕度金

    • パスポート取得 + 予防接種 + 現金10万円など。
  • 赴任国での福利厚生

    • 本人のみ社用車・運転手付き、家賃全額、学費、スクールバスなど。

会社によっては、内示期間中に現地への出張や家族帯同での事前調査訪問(reconnaissance trip)の機会を与えてくれることがる。


 正式な異動辞令 

発令のやり方は会社ごとに異なるが、必ず文書が発行されるもの。

そして、これを起点に費用と時間のかかる様々な準備を始める。

  • 就労ビザの申請
  • 語学研修
  • 予防接種
  • 海外引越の準備 など

異動辞令は内示と同じく、海外赴任の場合には国内よりも長い期間をもってなされる。

会社によっては内示段階で始まることもあることを付記しておく。

いまの担当業務の関係者への通知は後任者や業務の引継ぎスケジュールを上司と相談のうえ、社内外への通知を準備をはじめること。  


 就労ビザと労働許可証の準備 

日本のパスポートはシンガポールと並び世界第1位で、190か国においてビザ無し又はarrival visaでの入国が許されているが、それは短期滞在の話。

海外出向や現地採用などの労働を伴う長期滞在の為には就労ビザ(査証)取得が必須。

同時に、ほとんどの国は労働許可証(ワークパーミッション)というビザとは別の政府機関への登録が義務付けられている。

これらが無いと不法滞在、不法就労で法律違反として刑罰の対象となる(最悪の場合は、再入国拒否)。

家族帯同の場合、配偶者及び子供には専用のビザを申請する。

ビザ申請は本人(家族帯同の場合は家族全員)が 赴任する国の在日領事館に行き、申請の手続きを行う。

(アメリカや中国など数か国以外は、東京にしか領事館を置いていない) 

就労ビザ の為 に必要とされる書類は 国によって 異なるが、申請書類記入の他に

① パスポート有効期限6カ月以内

② 規定サイズの写真

③ 英文経歴書

④ 出向先会社の登記簿謄本

⑤ 出向先会社発行の招聘状

⑥ 赴任予定日の航空券又は予約書など。

家族帯同の場合

⑦ 戸籍謄本など家族関係、婚姻関係を証明する書類も必要とされる。

ワークパーミッション申請も国に寄って異なるが、基本的には現地国の労働当局事務所への提出となる。

現地に行ってしまってから書類を集めるのも難しいので、事前に必要なものは早めに入手しておくべき。

 例)出身大学の英文卒業証明書(Certificate of Graduation)、英文健康診断書


 予防接種 

赴任国によって異なるが、予防接種をビザ発給条件とする国は多い。

(中国、シンガポール、アメリカ等)

日本に住んでいるだけでは必要が無いものだけにあまり知られていないが、保険適用外である為にかなりの高額となり、1週間以上の期間をあけて3回注射することもある。

例えば、5種(A/B型肝炎ワクチン、破傷風、狂犬病、日本脳炎、ポリオ)で約12万円/人となることもある。

子供の学校についても転校の要件に、予防接種を求めていることも多い。


 業務の引継ぎ(いまの業務) 

いまの担当業務については直属上司と相談の上、内示を受けた日から直ぐに取り掛かる。

例え内示日が赴任日の4か月前であろうと、その日はあっという間に訪れる。

引継ぎをするということは、今の業務量の1.5倍から2倍となるものである。

また次に述べる通り自分自身及び家族の為に「やるべきこと」会社の人事部がやってくれないことが山のようにあることも忘れてはいけない。


 英語・赴任国の言語の勉強 

アメリカやオーストラリア等の英語圏への海外出向ならまだしも、フランスやドイツ、中国、タイ、インドネシア等への赴任であれば、本人は勿論、帯同する家族も初級程度の現地の言葉を覚えておいた方が良い。

会社によっては、赴任前の数カ月間に国内で駅前留学の経費負担をしてくれるところもある。

少なくとも本屋さんで現地語初級のテキストを買った方が良い。

現地の紀伊国屋などの日本系書店での購入やネット販売もできるが、直ぐに使うものなので買っておくべき。


 赴任国への事前調査訪問 

外資系ではreconnaissance (偵察)tripと言われることもある。

会社経費で赴任国に訪問し住居を下見して契約したり、子供の学校の申し込みをする機会がある。

前任者やよく知っている現地同僚のサポートがあれば助かる。

本人が会社初の出向者である場合には、会社契約でコンサルタント・現地コーディネーター等を雇う。

そういうツテが無い場合は、現地在住の日本人を紹介してもらうこともあり。

 

例えその赴任先に何度も出張していても、短期滞在者として見る町と住む町では違うという目で “偵察” することが重要。


 現住居の引越し作業・各種届け出 

会社の人事部が手配してくれるのは、引越し業者の選定と家財の保険契約くらい。

ここでは、数年後に帰国する予定での主な「やるべきこと」を案内する。

家族と同居からの単身赴任

  1. 引越し作業;赴任先に持っていきたいが飛行機の手荷物に収まらない場合には、引っ越し業者の事前見積もり~梱包~出荷立ち合い。
  2. 住民票の除票;現在住んでいる市区町村役所に「国外転出届(住民異動届)」を提出。
  3. 納税管理人の選定と申請;日本国内に給与所得以外の収入がある場合、収入の発生する地区の税務署への届け出。
  4. 金融機関への届け出;多くの金融機関(銀行・クレジットカード信販会社・証券会社など)は、国内非居住者の利用を制限している。※注意

家族が現住所に引き続き住む場合は、郵便物転送サービスや各種住所変更も必須とならない場合が多く、家財の移動もない。

ひとり暮らしからの単身赴任

  1. 引越し作業;引っ越し業者の事前見積もり~梱包~出荷立ち合い。家財の全てを赴任先に送らず、実家や貸倉庫に移動させる場合には、それぞれに分けた作業。
  2. 賃貸物件転居の手続き;管理不動産会社への退去申請、立ち合い。水道・電気の利用停止。
  3. 各種利用サービスの変更・停止・解約;ネット回線ほか利用サービスの停止又は解約。郵便物転送サービスや各種住所変更。
  4. 住民票の除票;現在住んでいる市区町村役所に「国外転出届(住民異動届)」を提出。
  5. 納税管理人の選定と申請日本国内に給与所得以外の収入がある場合、収入の発生する地区の税務署への届け出。
  6. 金融機関への届け出;多くの金融機関(銀行・クレジットカード信販会社・証券会社など)は、国内非居住者の利用を制限している。※注意

家族帯同の赴任

  1. 引越し作業;引っ越し業者の事前見積もり~梱包~出荷立ち合い。家財の全てを赴任先に送らず、実家や貸倉庫に移動させる場合には、それぞれに分けた作業。
  2. 賃貸物件転居の手続き;管理不動産会社への退去申請、立ち合い。水道・電気の利用停止。
  3. 各種利用サービスの変更・停止・解約;ネット回線ほか利用サービスの停止又は解約。郵便物転送サービスや各種住所変更。
  4. 子供の学校の転出届
  5. 住民票の除票;現在住んでいる市区町村役所に「国外転出届(住民異動届)」を提出。
  6. 納税管理人の選定と申請;日本国内に給与所得以外の収入がある場合、収入の発生する地区の税務署への届け出。
  7. 金融機関への届け出;多くの金融機関(銀行・クレジットカード信販会社・証券会社など)は、国内非居住者の利用を制限している。※注意

【海外転勤・海外移住】引越しの準備<まとめ>

もっと詳しく知りたい方は下のサムネイルをクリック。


 出国(日本から赴任地へ) 

海外出向の前兆から、内示、正式な辞令、完璧な業務引継ぎ、漏れのない公的機関・金融機関・利用サービス変更手続き、引っ越し作業、合間の語学勉強と慌ただしい日々が過ぎ、ようやくその日がやって来た。 パスポートはOK! 航空券もOK ! 当座の現金OK! お世話になった方々への挨拶は、しっかりと済ませておこう!


 入国(赴任地に到着) 

飛行機が着陸。イミグレーションを無事に通り、預入手荷物の回転台から大きなスーツケースや段ボール箱をキャリーカートに乗せて税関を通過すると、ここからが希望と不安の入り混じる海外生活の始まり! 

まだまだあります。こちらの国で「やるべきこと」。

事前調査訪問で決めた家に即日入居?数日間はホテル住まい?

いずれにしろ手荷物の開梱から部屋が片付いて落ち着くまでは、数日から数週間。

船便で送った荷物は1カ月後。

日本に住んでいた時とは勝手が違うのは、外出時だけでなく家の中も。

ご飯は何を食べよう? この時期は何を着たらよいのか? 明日の天気は?

家族帯同であれば、そんな環境適応のアジャストメントで頭がいっぱい。


 着任 

そうです。旅行ではなく仕事をする為に海外に来たのです。

出向先会社への出勤。

  1.  人事オリエンテーションと事務手続き
  2.  デスクへの案内
  3.  パソコンと携帯電話・スマートフォンの支給と設定

メーカーであれば、制服・作業服、安全装備一式の支給も。

まずは早速、設定できたパソコンのメールで着任のご挨拶を発信。


 就労ビザ・労働許可証、銀行口座開設 

会社に行って、働く道具は手に入った。

さぁバリバリ働くぞ!….出来ません。

ワークパーミッションは手元に届きましたか?

ワークパーミッションが無ければ違法です。

運が悪ければ、強制帰国。着任したばかりなのに…。

人事部にしっかりと確認。

国に依っては最初に入国する際のビザから違う種類のビザに切替なければ、再入国の際に問題となることもあるので、よく調べること。

もうひとつ重要なのは銀行口座の開設

赴任先の会社から現地通貨で振り込まれる給与他を受け取る為に、現地の銀行を利用するのが一般的。

これは既に駐在員のいる会社であれば、人事部がサポートしてくれるだろう。

現地の銀行口座が開設できれば、現地クレジットカードの発行もできるようになる。

為替変動を気にせずに現地での生活ができる。


 新赴任地での業務の本格稼働 

働く環境(食う、寝る、ビザ&ワーパミ、銀行口座)が整って

ようやく業務の本格稼働。

日本での経験を活かし、野心を持って、新たな経験と知識を積み上げる。


 海外での新生活を整える 

 

日本であっても外国であっても、“食”と”住”の安定が確保できれば、まぁなんとかなるもの。

家族帯同の場合は日本にいる時よりも”家族の安定“が、仕事にも影響される。

配偶者や子供は言語の違い、文化の違う全く新しいコミュニティに入っていくことになり、心理的ストレスは日本での国内転勤と比べ物にならない。

SNSやそれらのTV電話機能も無料・安価で利用できるので積極的に利用して”食”と”住”と”家族”の安定をすすめる。


 海外生活での楽しみ 

落ち着いたら、自身の趣味や赴任国内、近隣国への旅行など、先々の予定をモチベーションのひとつとして、海外出向、海外駐在、海外赴任を楽しむ。  

 

~文末~

海外赴任時に困ることのひとつは家財の保管。そんなときは...

海外赴任の前に保険を見直してみるならば...

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