グローバルな働き方のひとつに、外国で期間に限りなく働く方法が「現地採用」である。
《このサイトでの「現地採用」の定義》
日系、欧米系他、その国のローカル企業を問わず、その国の法人に正社員雇用契約を結んでいる会社員のこと。
現地採用社員になるメリット
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住みたい国で期間を気にせずに海外生活
海外で、好きな国に期間を気にせずに住む方法には
① 投資ビザ
② リタイアメントビザ
③ 労働ビザ
が承認されることが主な必要条件だが、ここでは③を前提として進める。
海外出向社員・駐在員(以下、駐在社員)は期間限定で、企業として仕事のある国に派遣されるので、自分自身の住みたい国、好きな国を選んで働くわけではない。
例えその国のことが好きでも、いつかは日本に帰国する身。
それに比べて、現地採用社員(以下、現採社員)は、国を選んで働くスタイル。
他者に命令もされず、縛られないライフスタイル。
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その国のリアルに近い環境で仕事と暮らし
入社するのは現地の会社。
同じ・似たような雇用条件の同僚たちと机を並べて働く。
給与レベルもその国の人々と大きくは違わない。
(国や業種によっては、日本語をネィティブに話すことで加算されることも。)
生活レベルも、現地人の同僚のリアルに近い暮らし。
駐在社員と現採社員では待遇も違うが、現地の同僚から見たら駐在員は長期間の出張者みたいなもの。
やはり、同じ釜の飯を食っているのは現採社員と思っている。
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より高度なグローバルな働き方
繰り返しになるが、入社するのは現地の会社。
例え親会社がその国以外にある企業の現地法人だとしても、その国の法令に則り、商慣習に従い、文化を尊重することは、日本で働くことよりも多くを学ぶことになる。
グローバルな働き方に大切な「多様性を認める」ことが養われる。
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給与の全額が現地通貨
現採社員は現地通貨で給与を受け取り、現地通貨で日々の支払いを行う。
収入と支出は単純な引き算だけ。
例えば、給与を日本円で受け取り、日々の生活での支払いがインドネシアルピアだったとしよう。
あなたは毎日、為替レートの変動をチェックすることが毎朝の日課となる。
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グローバル経験を生かした転職の可能性
日本で働くだけでは得られない転職の門戸が広がる。
欧米系や中華系企業など給与レベルの高い企業へのキャリアアップの可能性。
現地採用社員の苦労
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就職活動の狭き門
あなたがGoogle のスンダル・ピチャイCEO(インド出身)の様な人であれば何の問題もないが、住みたい国の現採(外国人)社員の募集はいつでも、なんでもあるものではない。
労働ビザはどの国でも原則として法令で許可された職種(日本の外国人受入でいうところの特定技能)、ハイクラスなマネージメントポジションなどの規制がある。
つまり外国人はどんな仕事でもして良い訳ではないので、自ずから就職は狭き門になる。
住みたい国で外国人に許可された職種を調べた後、どの様に就職活動をするかは後に述べる。
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各種手続きは自分自身で
入社が決まり、役所への届出書類(ビザや労働許可証)は現地の文字。
社内書類は企業によっては英語併記、又は英語のみもあるかもしれない。
現採社員は残念ながら駐在社員の様に通訳やアシスタントは期待できない。
プライベートでも、アパートの契約から銀行口座開設、保険契約、現地の運転免許取得・更新などは原則は自分自身で行う。
税金の還付を受けるにはどうするか等、様々なシーンで自分でやる。
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海外出向社員・駐在員との待遇の差(東南アジアの場合)
東南アジアやインドにおいては未だ歴然とした待遇の差が見られる。
これは一つの例であり、全ての現採社員が駐在員よりも待遇が低いということではない。
東南アジアの現採社員でありながら、日本円換算で約3千万円超の年収を得ている実例もある。
現地採用社員になるには
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日本で求人を探す
先ずは転職エージェントに登録することから始まる。
Web登録時に希望を記載して送信するだけではなく担当者との面談をして、強くアピールをして印象付ける。
企業からエージェントに対して、サーチの依頼があった時に必ず声がかかる様にしてもらう。
日系企業の海外現地法人の現採社員を目指すのであれば日本の大手転職エージェントに登録。
外資系(多国籍)あるいはローカル企業を目指すのであれば、外資系に特化した転職エージェントに登録する。
転職業界人ではない個人的な経験から考察すると、エージェントは企業からの依頼で海外用人材のサーチを日本で行うが、転職希望者の依頼で海外案件を積極的に紹介することはない。
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現地に行って求人を探す
住みたい国に出張や旅行で現地に行った際に積極的に求人情報やエージェントの情報にアクセスする。
出発前に、現地の転職エージェントに登録してアポをとり、現地にてエージェントと面接をして現地の情報を入手したり、自分を売り込んだり。
給与レベルの高い案件でないが、フリーペーパーのタウン誌の求人欄も活用する。
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海外赴任の期間中に転職活動をする
運よく住みたい国に駐在員として赴任している場合や、赴任してからその国に残りたいと思った場合には時間の余裕もあるので、じっくりと活動ができる。
赴任期間終了して一旦は本帰国し、退職をしてから戻ってくるケースや、帰国せずに退職してそのまま転職する場合がある。
~ 文末 ~
【海外移住】引越しの準備 まとめ